大きな窓からやわらかな光が差し込み、シャンデリアのきらめきが空間を静かに彩る西麻布LA TERRE。
席に身を預けると、都会の真ん中にいながら、時間の流れだけが少しゆっくりになるような感覚に包まれます。会話の間に生まれる沈黙さえ心地よくて、料理を待つ時間もまた、この場所のごちそうのひとつです。
季節のコースのメインに登場するのは、極黒牛(きわみくろうし)のグリル。
アメリカのアンガス牛と黒毛和牛を掛け合わせたハイブリッド牛で、赤身の美味しさが際立つと言われるお肉です。香ばしく焼き上げた肉は驚くほど柔らかく、ナイフを入れるたびに、旨みが静かにほどけていきます。
合わせるのは、ボルドーワインを使ったソース・ボルドレーズ。コクのある味わいの中にほどよい酸味があり、赤身の輪郭をすっと引き立ててくれる。仕上げにのせた香草バターは、溶けるたびに香りとまろやかさを添えて、ひと皿に奥行きをつくります。
ソースで、バターで、重ねて
——その日の気分で食べ方を変えられるのも楽しいところ。
そして食後は、甘い余韻へ。
苺のティラミスは、ふわふわとなめらかな口あたりに、コクがじんわりと広がる仕立て。苺の層がそっと季節の気配を添え、最後まで軽やかに楽しめます。
添えるのは、しっかりとした歯応えが心地いいベリーのマカロン。ひと口で広がるフルーティーな香りが、ティラミスの余韻をさらに澄ませてくれるようで、食後の時間が少しだけ特別に整っていきます。
光の中で味わう、赤身の旨みと、甘い香りの余韻。
LA TERREの一皿は、素材の魅力を丁寧にすくい上げながら、食べ終わったあとに“静かな満足”を残してくれます。季節が変わるたびに会いに来たくなる
——そんな時間を、ぜひ店内で。